[緑の森の仲良し兄弟]
ある森に仲の良い兄弟が暮らしていました。
兄は優しく穏やか、
弟は元気なしっかり者。
正反対の兄弟とそれを見守る母親。
家族仲良く支え合って過ごしていました。
◽️縺、縺セ繧峨↑縺◽️
ある時、
兄がおつかいの帰りに森の広場を通りかかると
大ババさまと呼ばれる森の取りまとめ役の老人がため息を吐いていました。
心優しい兄は心配になって大ババさまに駆け寄ります。
すると、大ババさまはぽつりと
「良くないことが起こる」
と予言めいた言葉を発しました。
驚く兄を悲しそうな目で一瞥し
大ババさまはゆったりと去っていきました。
大変です。
大ババさまはこれまでも予言めいたことを言ったことがありましたが
確かにそれは当たり!
多少なりとも被害が出たことがあったからです。
じゃあ本当に
良くないことが起こる…?
叫び出したくなるのを必死に抑え
兄は慌てて家へと走ります。
家族は、母は弟は無事だろうかと。
◽️隕九▽縺代◆◽️
大急ぎで帰った兄は勢いよく扉を開き、家族の無事を確かめます。
そんな兄の勢いに驚いたのは、お家で留守番をしていた弟。
「おかえり兄さん、…どうかしたの?」
目をぱちくりさせながら首を傾げる弟を見て、兄はほっと息を吐きました。
不思議そうな表情を浮かべる弟に、兄は「なんでもないよ」と笑い
「おつかいで疲れちゃったから部屋にいくね」
そう言いながらそそくさと己の部屋へ向かいます。
大ババさまが言っていたことを弟にも教えたらきっと不安に思うだろう。
それは良くないと、と兄は首を左右に振りました。
だって自分はおにいちゃんだから
弟を不確かで不穏で不安な言葉で
無闇矢鱈と怖がらせてはいけない。
◽️縺翫>縺ァ◽️
部屋の扉を背に兄は大ババさまの言葉を思い返します。
良くないことか…
それが起こるのは
この森の中でかな
それとも森の外でかな
どっちだろう。
しばらく悩んで兄は「外のことかな…」と窓に目を向けました。
なんせこの森は平和そのもの。
夫婦喧嘩や兄弟喧嘩、ともだち同士のいざこざは
まあ多少なりともあるものの
物騒な話は全く聞かない、呆れ返るほど穏やかな森。
ならば有り得るのは
「森の外から攻められる」とか
「外のヒトがこの森の襲撃を企んでいる」とか
「ドラゴンとか魔獣の暴走に巻き込まれる」とか
「アクマがみんなを苦しめる」とか
多分そんな感じだろうと兄はひとり頷きます。
だから、
えっと、どうしよう、
えぇと、うーんと、ああそうだ
大ババさまの言葉が
「…本当かどうか、確かめてみればいいかな…?」
そうぽつりと呟きました。
確かめてから弟に話せばいい。
自分の目で確かめて、
それから弟に
なんでもなかったよ、と笑うのも。
危ないから森から出ちゃダメだよ、と忠告するのも。
ボクが調べておいたから大丈夫だよ、と胸を張るのも。
これなら大ババさまの不穏な言葉を聞いたとしても弟は安心できるだろう。
「よし!」
薄暗くなってきた窓の外に目を向けて、兄はぐっと拳を握ります。
確かめに行くなら
早い方がいいかな
早く調べて早く確認して
早く報告できれば
その分安心できるから。
兄はへらりと笑い、ゴソゴソと己の懐を漁りました。
取り出したのはピカピカのお守り。
これがあるから自分は大丈夫だと、兄はお守りを握り締めます。
これを持っていると身を守ってくれるらしい、立派なお守り。
ボクがいなくても
弟はしっかりしているから
大丈夫だろう
ああでもボクが出掛けている間に
弟に何かあったら嫌だなあ
ならこれは
このお守りは
弟に残そう
そう考えて兄は、物音を立てぬようそろりそろりと廊下に出てこっそり隣の弟の部屋へ潜り込みました。
探るように視線を走らせ、目的のものを発見しへらりと頬を緩めます。
兄は弟の机の上にピカピカのお守りを置き、代わりにそこにあった古ぼけた笛を手に取りました。
弟が小さいころに
作ってあげた拙い笛
なにかあったらこの笛を鳴らしてね
おにいちゃんがたすけにいくからねと
得意げに渡した記憶が朧げに蘇ります。
まあしっかり者の男には、無用の長物だったらしく一度も鳴らされたことはありませんでしたが。
使われなかったし
古いものだし
もう捨ててもいいと幾度となく言ったのに
弟は何故だか絶対捨てようとせず
ずっと弟の手元に枕元にあった笛。
見かけるたびに微妙な気持ちとなっていましたが、これよりもっと綺麗で立派なピカピカのお守りなら弟も文句はないだろうと兄は頬を掻きました。
だから、
これはもう
いらないよね?
森の外に行くのだからついでに捨てておこうと、兄は古ぼけた笛を懐に突っ込みました。
さてこれで、自分の手元からお守りは消え古ぼけたものが残りました。
森の外に行くには少しばかり心許ないなと兄は困ったように眉を下げます。
その時ふと
思い出したことがありました。
まるでそう、
呼ばれるかのように。
ああ、
そういえば…
◽️縺翫>縺ァ ◽️ 縺翫>縺ァ◽️
◽️縺、縺九∪縺医◆◽️
◽️◽️
弟は
今日も扉を見つめています。
じっと目を向けノブが回るのは
今かすぐかそろそろか
今日か明日かそれとも
今日は、
今日も、
ノブはピクリとも動きませんでした。
はあと大きなため息が家の中に響きました。
兄がいなくなってから結構な日数が経っています。
いなくなった日、兄は夕飯の場に姿を見せず。
まだ寝ているのかと起こしに行ったら部屋はもぬけの殻。
家中を探しましたが兄はどこにもおらず、変わっていたところといえば
己の大切な笛が無くなり
代わりに兄に渡したはずのお守りがちょこんと置かれていたことだけ。
残されていたお守りを手のひらに乗せて、弟は何度目かのため息を吐きます。
こんなものより
自分の作った見目だけが立派な飾りより
あの笛のほうがずっとずっと大切だったのに。
幼い頃、あれを手渡してくれた優しい兄の顔が鮮やかに蘇ります。
あれを持っているだけで
いつでも兄が見守ってくれているような気持ちになり安心できたのに
これがあれば何があっても兄が助けてくれるのだと勇気が出る大切なものだったのに。
兄に迷惑をかける気はなかったから、吹くことはなかったけれど
手元にあるだけでこころが暖かくなる大事な大事なものだったのに。
「…笛のお礼に渡したのにな」
弟はお守りを手で弄びながら寂しそうに呟きます。
まあ気恥ずかしくて「手作り」だと言えず、あげるよとそれだけ言って渡したためか、
兄はババさまあたりが作った効果のある立派なお守りと思い込んでいた気がするけど。
だから残したんだろうなあと弟は息を吐きました。
こんなもの
なんの効能もないのに
ただ見目が整っているだけのただの飾り。
唯一込めた願いは
「おにいちゃんが喜んでくれたらいいな」
それだけ。
兄がくれた優しい笛のお礼に、兄のために作ったただのプレゼント。
「お守りでも、なんでもないんだ」
だからこんなもの残されても、なんの意味もないのに。
無意識に弟は胸元を探ります。
もうそこにはない大切な笛を探すように。
いつもの感触を見つけられず行き場を失った手は力無く落ち、弟は不安そうに顔を伏せました。
◽️ ◽️ ◽️
兄がいなくなっても森の生活は普通に続きます。
特に今日は、臨時の集会が行われると通達が届きました。
兄がいなくなってから元気のない母の代わりに弟が集会に参加します。
そこで、
「…禁断の仮面が、無くなった?」
ものすごい報告がなされました。
そりゃ臨時の集会が開かれるってもんです。
この森に住んでいるなら誰しもが知っている
「昔大暴れした力の強い妖精王を封じた仮面」
それが無くなったと。
とはいえこの仮面は、妖精王を土地に封じる要石などではありません。
仮面が無くなったからと言って、妖精王がすぐさま解放されたわけではありません。
つまりは無くなったからといって、すぐさま森に被害が出たりはしないでしょう。
妖精王は仮面そのものに封じられているので、どちらかというと危険なのは仮面を持ち出した犯人のほう。
まあ「仮面を持ち出した」だけならば大丈夫でしょう。
そうです
「仮面を身につける」などという愚かな行為をしない限りは
問題ありません。
この集会でも
怪しげな仮面を見かけても
絶対に身につけないように
という注意喚起が主でした。
誰かが声を上げます。
「いつから無いのか」
「誰が持ち出したのか」
「どこに持ち去られたのか」
それはわからないのかと。
返ってきた答えは
「調査中」のひとことだけでした。
しかしながら、森の外に持ち出された可能性もあるため誰かに外に行ってほしいと話が進みます。
みんながざわつくなか、大ババさまが弟の名前を呼びました。
突然名を呼ばれた弟が戸惑いながらも返事をすると、大ババさまは「お前に行ってもらいたい」と言い、すっと立ち上がって歩き出します。
弟も周囲も混乱する中、大ババさまは「ついておいで」と弟に顔を向けました。
慌てて弟も立ち上がり周囲の視線を受けながら大ババさまの後を追いました。
◽️ ◽️ ◽️
大ババさまの後を追い辿り着いたのは森の奥。
深く深く奥深く、普段ならば禁断の仮面が置いてあるところ。
まあ今だとそこは
ぽっかりと空白になっているのですが。
その空白をちらりと見やり、大ババさまは仮面を
禁断の仮面とはまた別の仮面を
取り出して弟に手渡しました。
これは
妖精王の仮面と対になるモノ。
妖精王を封じ
その後森を取りまとめた英雄の力を宿した
支配者の仮面。
これならば妖精王の仮面に対抗出来ると、大ババさまは弟に「森の外へ行って仮面を取り戻してこい」と言いつけます。
そんな仮面を渡されて面食らった弟でしたが、これはチャンスだと思い直しました。
森の中をいくら探しても見つからない兄。
ならばきっと兄は森の外へ行ったのでしょう。
堂々と森の外へ出て
仮面を探しながら兄も探せる
またとないチャンスです。
弟が了承の意を伝えると、大ババさまはこくりと頷き仮面の扱い方を教えてくれました。
妖精王の仮面ほどの影響はないが
この支配者の仮面も力は強い
邪な考えや私欲で何度も身につけると
乗っ取られてしまうだろうと。
気をつけなくてはならないと弟は気を引き締めます。
母親への報告と準備があるからと弟は大ババさまに別れを告げ、その場から立ち去りました。
ひとり残された大ババさまは
仮面がなくなり空っぽになった場所を見て
小さく小さく呟きました。
ああやはり
良くないことが起きてしまった
と。
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出立の日。
母親に別れを告げて弟は旅立ちます。
絶対に兄さんを見つけて
ふたりで帰ってくるからと
約束して森の外へと足を踏み出しました。
はじめての森の外、森と同じものもあれば森では見たことの無いものもたくさんあります。
任務さえなければ心から楽しめる旅となったでしょう。
兄が行方知らずとなった時期と
妖精王の仮面が無くなった時期は一致していると
弟も気付いていました。
それでも
「まさか」と
脳が否定します。
あの兄が
なんの理由もなく
禁断の仮面を盗むなんて
想像出来なかったからです。
しかもそれを
森の外に持ち出すなんて。
何の意味があるのか
何を考えているのか
どうしてそんな
「"愚かなことを"?」
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そうして
森の仲良し兄弟は
森の外で再会します。
弟が考えていたなかで
最も悪く最も信じ難く
最も愚かな状態で。
優しかった兄の姿は見る影もなく
そこにいるのはただの愚か者。
放つ言葉は後悔の音。
意識はあるのに動かせない
それはどんな気分だろうか。
ただ単に
「してはいけないことをした」
それだけの話。
ほら大ババの言う通り
「"お前に"良くないことが起こった」ぞ?
「"お前が"良くないものに成り果てた」ぞ?
自業自得な木偶の坊。
焚き火に手を突っ込めば
大火傷をすることくらい
子供だって知っている。
触れてはいけないものには
絶対に触れてはいけないのだと
身をもって理解しただろう?
ああ
あ 縺
縺ゅ≠!
謨代>繧医≧縺ョ縺ェ縺
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こん 縺ェ螂エ
謨代≧ 必要 縺ェ縺?□繧阪≧?
… 謨代>縺溘>?
鬥ャ鮖ソ繧峨@縺
縺昴l繧偵@縺ヲ菴輔↓縺ェ繧具シ
[邱代?譽ョ縺ョ諢壹°縺ェ蜈]
完
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オレカバトル2・緑の森の兄弟の雑文。捏造と妄想