○アバンタイトル:海の上
青い海を、連絡船が進んでいる。
甲板で海風を浴びるサトシ達。
サトシ「よーし! 次のジムがあるルネシティまで、あと少しだな!」
ピカチュウ「ピカピカ!」
ハルカ「楽しみねー。美味しい名物とかあるかしら?」
マサト「もう、食べ物の事ばっかり。ルネジムはみずタイプがメインなんだから、しっかり対策を考えないと」
タケシ「その前に、ジョジョ島に着くぞ。あそこは美しい池や川が多い事で有名なんだ。少し休憩していくのも悪くないぞ」
その時、突如として船体が激しく揺れる。
ハルカ「きゃあ! 何!? 嵐?」
サトシ「うわわっ! 揺れるっ!」
海面から巨大な水柱がいくつも上がり、激しい波紋が広がる。
○ジョジョ島・港
船が港に到着するが、町の人々は慌ただしく動いている。
サトシ達が下船すると、再び地面がグラグラと揺れ始めた。
サトシ「まただ! これって地震か?」
タケシ「いや、この揺れ方……普通の地震とは違うような気がするぞ」
そこへ、一人の少年・チョウタが走ってくる。
チョウタはドジョッチを抱えている。
チョウタ「みんな、大丈夫かい!? 早く高台へ逃げた方がいいよ!」
サトシ「君、これは一体どういう事なんだ?」
チョウタ「あいつらだよ……ナマズンの群れが暴れてるんだ!」
○タイトルコール
サトシ「ゆれる島の戦い! ドジョッチVSナマズン!!」
○島の高台
サトシ達はチョウタに案内され、島の中心にある大きな池が見下ろせる場所に行った。
そこには、十数匹もの巨大なナマズンが水面を叩き、暴れ回る異様な光景が広がっている。
マサト「うわぁ……あんなにたくさんのナマズンが!」
ナマズンの群れを見て驚くマサト。
しかし、タケシは険しい表情をしている。
タケシ「……おかしい。ナマズンは強い縄張り意識を持つポケモンのはずだ。
一箇所の池にこれほど密集して群れるなんて、あり得ない事だぞ。……何か、原因がありそうだ」
チョウタ「そうなんだよ、この島には昔からたくさんのドジョッチとナマズンが住んでるんだけど……
最近、急に群れになって我儘放題に暴れ出して、島中で地震を起こしているんだよ」
ドジョッチ「ドジョジョ~」
ハルカ「ドジョッチは可愛いわね」
チョウタ「こいつは僕の相棒。僕とドジョッチで何度も止めようとしたんだけど、あいつら、物凄く強くて……」
サトシ「よし、俺達も手伝うよ! 放っておけないもんな」
○池のほとり
一行が池に近づくと、水面が盛り上がり、複数の巨大なナマズンが姿を現す。
ナマズン達「ナマズーーン!!」
ナマズン達が一斉に尾びれで地面を叩くと、激しい揺れが襲う。
サトシ「出たな! よし、ピカチュウ、10まんボルトだ!」
ピカチュウ「ピカ、チュウーーー!!」
電撃がナマズンを直撃するが、ナマズン達は平然としている。
タケシ「ダメだサトシ! ナマズンはみず・じめんタイプだ。電気は効かないぞ!」
サトシ「ああっ、そうだった! だったら、ジュプトル、君に決めた!」
ジュプトル「ジュプッ!」
サトシ「ジュプトル、リーフブレード!」
ジュプトルはナマズンの群れに「リーフブレード」を放とうとする。
しかし、ナマズンの群れが連携して「みずでっぽう」を放ち、ジュプトルの体勢を崩す。
さらに一斉に「あなをほる」で姿を消した。
マサト「みんな消えた!?」
チョウタ「来るぞ! 四方八方からだ!」
ドシン! と地面を突き上げ、ジュプトルを翻弄するナマズン達。
チョウタ「ドジョッチ、みずでっぽうだ!」
ドジョッチ「ドジョジョー!」
しかし、多勢に無勢。
ナマズンの群れは、再び水中に潜ってしまった。
○茂みの陰
ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースが、現場を覗き見ていた。
ムサシ「見た? あのナマズンの群れ。相当なパワーを持ってるじゃない」
コジロウ「あの集団地震エネルギーを動力に変えれば、世界征服も夢じゃないぞ」
ニャース「サカキ様に捧げれば、昇進間違いなしニャ!」
ムサシ「決まりね! ナマズン捕獲作戦、開始よ!」
コジロウ「もし、ナマズンの群れを全部捕まえれば……」
ロケット団「幹部昇進、支部長就任、いい感じー!」
ソーナンス「ソーーーナンス!」
○池のキャンプ
タケシが地面に耳を当てている。
タケシ「……分かったぞ。ナマズン達が群れていたのは、地下の深い場所で大きなエネルギーが溜まっているのを察知したからだ。
ナマズン達はその振動を鎮めようとして、本能的に集まり、自ら振動を起こして対抗していたんだ」
サトシ「じゃあ、あいつらは島を守ろうとしてたのか?」
その時、池の周囲に霧が立ち込める。
ロケット団が巨大なナマズン型メカに乗って登場。
サトシ「な、なんだあのメカは!?」
ハルカ「ナマズン……!?」
ムサシ「な、なんだあのメカは!? と聞かれたら……」
コジロウ「答えてあげるが世の情け!」
ロケット団、いつもの口上。
ニャース「そのナマズンはまとめてロケット団がいただくニャ!」
メカから巨大な吸盤が伸び、次々とナマズンを吸い上げていく。
ナマズン達「ナマズーッ!?」
サトシ「やめろ! ナマズン達がいないと、島が危ないんだ!」
ハルカ「そうよ! ホントはこの島を守ろうとしてるんだから!」
ムサシ「ジャリボーイにジャリガールじゃない! アタシ達の邪魔はさせないわよ! 行きなさい、ハブネーク! ポイズンテール!」
コジロウ「いけっ、チリーン!」
チリーン「チリリ~~ン♪」
サトシ「させるか! ジュプトル、リーフブレード!」
ハルカ「アゲハント、しびれごなでチリーンの動きを止めて!」
ジュプトル「ジュプッ!」
ジュプトル、ハブネークの尻尾を弾き飛ばす。
アゲハント「テフッ!」
アゲハント、キラキラと粉を振り撒いてチリーンの動きを止める。
ムサシ「ちょっと、ハブネーク! 何モタモタしてんのよ!」
コジロウ「チリーン! ……仕方ない、奥の手だ。ニャース、メカの出力を最大にしろ!」
ニャース「了解ニャ! ナマズン・バキューム、フルパワーだニャー!」
メカの吸引力が急激に強まり、池の周囲の岩や木まで吸い込み始める。
その勢いでジュプトルとアゲハントも吸い込まれそうになる。
サトシ「うわっ、ジュプトル!」
ハルカ「アゲハント、戻って!」
コジロウ「ハハハ! このパワーには抗えないぞ!」
しかし、無理に出力を上げた事でメカのエンジン部分が異常な音を立て始める。
マサト「あ! 見て、あのメカ、何だか様子が変だよ!」
タケシ「ナマズンのエネルギーまで一緒に吸い込もうとしたから、オーバーヒートしたんだ!」
メカの各所から火花が飛び、吸い込まれていたナマズン達が次々と解放される。
ニャース「ひえぇ~! このままじゃ、爆発するニャ~!」
ムサシ&コジロウ「「そんなの聞いてないわよ(よぉ~)!!」」
ナマズン型メカが大爆発を起こし、ロケット団を空の彼方へ吹き飛ばす。
ロケット団「やな感じ~~~!」
○池のほとり
ロケット団は何とか撃退した。
しかし、メカが爆発した影響で、ナマズン達が陸地に打ち上げられてしまう。
チョウタ「ナマズン! 大丈夫か!?」
地面に大きな亀裂が入り、池の水が吸い込まれ始める。
タケシ「まずい、このままだとエネルギーが噴き出して島が壊れるぞ!」
サトシ「みんな、力を貸してくれ! ジュプトル、たたきつけるで亀裂を塞ぐんだ!」
ハルカ「アゲハント、かぜおこしで岩を運んで!」
チョウタ「ドジョッチ! 君もだ! 泥の中で地盤を支えるんだ!」
ドジョッチ「ドジョジョーーー!!」
ドジョッチが必死に泥の中を泳ぎ、地盤を固めようとする。
その時、ドジョッチの体が青白く光り始めた。
マサト「あ! 進化するよ!」
光が収まると、そこには立派な「ナマズン」の姿が。
チョウタ「ドジョッチが……ナマズンに進化した!」
進化したナマズンが咆哮を上げると、打ち上げられていたナマズンの群れが呼応して立ち上がる。
そして、進化したナマズンをリーダーとして、群れが一斉に池の底へ潜り、一糸乱れぬ「じしん」を放った。
タケシ「凄い……! 全てのナマズンが一つになって、地鳴りを完全に打ち消そうとしている!」
激しい振動が数秒続き……やがて、ピタリと揺れが収まった。
○夕暮れの池
空はオレンジ色に染まり、池は再び静かさを取り戻した。
ナマズンの群れは、リーダーとなったチョウタのナマズンに一礼するかのように跳ねると、それぞれの縄張りへと帰っていく。
チョウタ「……みんな、帰っていったね」
進化したナマズン「ナマズン」
チョウタ「ありがとう、ナマズン。君がみんなをまとめてくれたんだね」
サトシ「凄い連携だったな、チョウタ!」
タケシ「ナマズンが群れた理由、それは島を思う本能だったんだな。いい経験をさせてもらったよ」
ナレーション「自分達の縄張りがある島を守ろうとしたナマズン達。その絆が、ドジョッチを新たな姿へと進化させた。
サトシ達はチョウタとナマズンに別れを告げ、いよいよ最後の目的地、ルネシティへと向かう。待ってろよ、ルネジム! ……続く!」
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ポケモンAGの幻の101話「ゆれる島の戦い! ドジョッチVSナマズン!!」を脚本風に小説化しました。
「ロケット団VSプラズマ団!」に続く、お蔵入りしたアニポケ回が、今、ここに蘇る……。