No.1191512

恋姫OROCHI(仮) 陸章・参ノ肆 ~武の氣配~

DTKさん

どうも、DTKです。
こんにちは、お久しぶり、初めまして。
お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m
恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、109本目です。

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2026-08-13 09:45:51 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:128   閲覧ユーザー数:116

 

 

 

 

「いたっ!」

 

剣丞たちは、一騎の騎馬を視認した。

湖衣の金神千里で事前に見つけていた、兎々と光璃だ。

供の者すらおらず、光璃を背負った兎々が一騎だけということから、事の重大さが窺える。

 

「兎々ーー!!」

「薫さま!湖衣!?」

 

兎々に要らぬ警戒を与えぬため、薫と湖衣を先頭にして合流する。

兎々たちを乗せた馬は、止まるや否や崩れるようにへたり込み、二人は湖衣に支えられてようやく下馬できた。

 

「ちょっと…光璃は大丈夫なんでしょうね!?」

 

兎々の背中でぐったりと動かない光璃を見て、美空が顔を青くする。

 

「…うん、大丈夫。気を失ってるだけみたい」

 

薫が光璃を兎々の背中から降ろしながら、状態を確認する。

薫は光璃を、湖衣は兎々を膝枕する形で地面に横たえた。

 

「兎々、話せるか?」

 

湖衣に膝枕されながらも、なお息の荒い兎々に剣丞は話しかける。

休ませてあげたいが、今は少しでも情報が欲しい。

 

「新田…剣丞…?なんれ、ここに……」

「みんなを助けに来たんだ。他のみんなは?」

「う…うぅ……」

 

剣丞のその問いを切っ掛けにして、兎々の瞳に涙が溢れる。

 

「まさか……」

「嘘……っすよね?」

 

悟った秋子と柘榴が絶句する。

何度も矛を合わせた好敵手として、信じられないようだ。

 

「敵は…どれくらいだったの?」

 

松葉が聞く。

長尾八千と互角の戦いをする武田軍だ。

相手も相当な大軍だったはず。

 

「…と……なのら…」

「え?ごめん兎々。よく聞こえなかった」

「……一人、なのら」

「…………え?」

「たった一人に……みんな……ぅうっ…」

 

そんなバカな…

誰もがそんな言葉を口に出そうとした、その刹那――

 

「星!思春!」

「「応っ!!」」

 

兎々たちを中心とした輪を遠巻きに見ていた鈴々たちは、兎々が来た方へと一斉に駆け出した。

 

「え、なに!?どうしたの?」

 

剣丞はそのただならぬ様子に動揺する。

 

「誰かが近付いてきてるの。ものすごく怖い氣を放ってる人が…」

「多分、武田を一人で()ったって奴だろうぜ」

 

そう言うと鞠は剣丞の側に、小夜叉は輪を出て鈴々たちの後を追った。

 

「剣丞さま、敵の狙いは光璃さまです。ひとまず光璃さまと兎々ちゃんを後方へ下げましょう」

「あ…あぁ、そうだね。それじゃあ…美空、秋子さん、松葉、雫、蓮華姉ちゃん、薫ちゃんは光璃と兎々を連れて後方の輜重隊と合流。急いで躑躅ヶ﨑館へ戻ってくれ」

「ちょっと剣丞!私は前線に残るわよ!」

 

美空が反論する。

 

「気持ちは分かるけど、光璃たちを守る戦力も必要だ。光璃の側に居てやってくれ」

「う…わ、分かったわよ!その代わり、ちゃんと無事戻ってきなさいよ!」

「大丈夫なの!剣丞は、鞠が絶対護るの!」

「そっすよ御大将!大船に乗った気でいるっすー!」

 

鞠と柘榴が、非常に対照的な胸をドンと叩く。

 

「穏、みんなを頼んだわよ」

「はいぃ~~…分かりましたぁ~~……」

 

蓮華から頼まれているが、穏は行くのが嫌そうだ。

 

「それじゃあ、小夜叉の後を追おう。みんななら大丈夫だとは思うけど…」

 

鈴々に星、思春、それに小夜叉の四人が向かったのだ。

敵は一人。

常識で考えたら、勝てる者などいないだろう。

だが…

 

「念には念を入れましょう」

「そうだね」

 

戦国最強武田軍を一人で破った強者だ。

警戒し過ぎて過ぎることはない。

一抹の不安を抱えながら、剣丞たちは四人の後を追った。

 

 

 

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

「最悪、だな…」

「ちっ…!」

 

星の呟きに思春は舌打ちで応えた。

接敵した鈴々、星、思春、そして小夜叉の四人は一定の距離を保ちつつ、一人の人物を半円状に包囲している。

だが、その人物が一歩進めば同じだけ下がり…を繰り返していた。

 

「なんでなのだ?どうしてなのだ!?なんで鈴々たちが戦わなきゃいけないのだ!??」

 

鈴々は先ほどからずっと呼びかけているが、相手からの反応は一切ない。

その虚ろな表情は、まるで鈴々の声など届いていないかのようだ。

 

「おい……コイツ、テメェらの仲間なんだろ?このデタラメな強さは一体どういうわけだ、あぁん?」

 

口強を叩いている小夜叉だが、数度相手を殺すつもりで突っ込み、悉く返り討ちにあっていた。

 

「ふんっ…我々の名ですら残ったくらいだ。貴様のような無教養な人間でも、奴のことを知らんはずがあるまい」

「んだとゴラァ!?」

「はっはっは、煽るな思春。だがお主の言う通り、我々より後世の人間で武を志したものであれば、この名を耳にした事もあろう」

「――っ!?おいおい、まさか…!?」

 

「答えてほしいのだ、恋!!」

 

真名を恋とする、この者の名は…

 

姓は呂、名を布、字を奉先という。

 

天下無双の飛将・呂奉先である。

 

 

 

 

 
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