なのは Side
透君と別れてから、私はヴィヴィオを抱え透君が通ってきた道を逆走し脱出を試みていた、勿論今でも透君の下に行って一緒に戦いたかった………………けど、今はヴィヴィオを安全な場所に連れて行かないといけない!
抱えた状態のまま迫りくるガジェット・ドローンを破壊していると、曲がり角で突然数本の剣がガジェット・ドローンを貫いた。
その魔法には見覚えがあり、放った人物が姿を現した。
はやて「っ!?なのはちゃん!?………………高町一尉発見!!」
はやてちゃんがツヴァイと融合している状態で『聖王のゆりかご』に突入してくれていた、彼女は自分が通ってきた通路の方に顔を向け声を上げると、はやてちゃんに続いてヴィータちゃんとゼストさん、クイントさんとメガーヌさん、他数人の局員がぞろぞろと来た。
ヴィータ「なのは!!ヴィヴィオ!!」
なのは「ヴィータちゃん!!」
皆が周囲を警戒しているなか、私はヴィータちゃんに駆け寄る、ヴィータちゃんは私を労う様に背中に手を添える。
ヴィータ「大丈夫かよなのは」
なのは「なんとかね………苦戦したけど………ダメージは思いの外無いから」
ヴィータ「そうか」
なのは「ヴィータちゃんの方も無事みたいだね」
ヴィータ「あぁ………つっても………アタシの方も結構苦戦してよぉ、割と危なかったんだけど、ゼストの旦那達がはやて達と一緒に突入してくれてアタシを助けてくれたんだよ、だからお前達の救出に来れたんだよ」
なのは「そうだったんだ」
はやて「私の方は透君のトコのアシュロンって竜が来てくれたお陰で大分楽に済んでな、早々になのはちゃん達の救援に向かったんよ……………一通り援護してくれたらアシュロンは消えてしもぉたわ」
なのは「はやてちゃんも無事でよかった………」
はやて「それでなのはちゃん………………透君は?」
はやてちゃんの質問に私は少し顔を伏せてしまう。
なのは「………………透君は………私とヴィヴィオを逃がす為に………っ!そうだ!聞いてはやてちゃん!さっき”ドゴォォォォォォン!!!”っ!!」
逃げる前に目撃した人物の事を告げようとした途端、突如『聖王のゆりかご』が爆発音と共に盛大に揺れる、私はヴィヴィオを抱き締め守る。
はやて「透君の事は心配やけど………………」
ゼスト「一旦退避した方がいいかもしれんな、もしかしたら井上の戦闘に巻き込まれるかもしれん………………そうなればアイツの邪魔にしかならん」
ヴィータ「………悔しいけど………………だな」
ヴィータちゃんの言葉に私もはやてちゃんも同意し頷く、ヴィヴィオをゼストさんに任せ、私はヴィータちゃんとはやてちゃんと共に道を切り開いて外を目指した。
………………………………………………
………………………………
………………
~アースラ・内部~
透君の通ってきた穴を出ると、そこには既に輸送機が待機していたので、ゼストさん達を乗り込ませ、私とはやてちゃんとヴィータちゃんはその護衛の為に輸送機の周りに配置し共にアースラへと向かった。
アースラに到着した私はヴィヴィオと一緒にブリッジに行き、外の様子を見ようとした。
私達が脱出する時もかなり轟音と共に揺れていた『聖王のゆりかご』、その時は何でもなかったのに、アースラから見る『聖王のゆりかご』は所々に穴が開き今も爆発している………………透君が暴れている………のかも。
ヴィータ「早く透の援護に行こうぜ!!」
なのは「そうだね!」
リンディ「こっちは任せて」
はやて「お願いします!!」
局員「八神三佐!!ハラオウン提督!!」
私ははやてちゃん達と一緒に再度出撃しようとすると、局員から通信が入ったとの報告が来た………………クロノ君の『クラウディア』からだった。
クロノ『コチラ『クラウディア』、粗方の敵は片付き且つ支援の方も引き継いだ………コレよりそちらと合流する』
リンディ「了解、ご協力感謝します」
形式上の挨拶をし終えると、クロノ君はコチラに顔を向ける。
クロノ『皆無事か?』
はやて「なんとかな、ヴィヴィオちゃんを安全圏に連れて行ってから透君の加勢に行くつもりや」
クロノ『そうか、コチラもハルカや響子、それにナカジマ姉妹達以外を乗せている…………ハルカ達もヘリで向かうとの事だ、幸いにも透の所の狐の…………『九喇嘛』が援護してくれたお陰で早く向かう事が出来たそうだ……………その後『九喇嘛』は消えたようだが』
はやて「私のトコも似たようなもんよ……………了解や……ならこっちは「『艦長!!』」っ!?」
はやてちゃんの言葉を遮る様に『アースラ』と『クラウディア』の局員がそれぞれの艦長、クロノ君とリンディさんに声を張り上げる。
リンディ「どうしたの?」
局員「『聖王のゆりかご』で膨大の魔力反応多数!更に………………この海域にも新たな魔力反応を検知!!」
クライド「狙い澄ましたように敵を配置してきてる………………」
クロノ『余程我々を透に近づけさせたくないのか……………あるいは…………」
はやて「別の狙いがあると?…………………」
はやてちゃんの言葉に皆少し考え込むようにしている。
リンディ「………今は目の前の敵に集中しましょう、然る後に透君の”ドゴォォォォォォン!!!”………酷い戦闘状況ね………」
映像に映しだされているボロボロの『聖王のゆりかご』を見ていると、新たに轟音と共に外壁が内側から破壊されるのが見えた………………ただその瞬間に見えたものが複数ある。
なのは「透君!?」
『聖王のゆりかご』の中から透君が飛び出してきた…………………ただ違いがあるとすれば…………………その姿はまるで攻撃を受けた衝撃で弾き出されるという所か。
透『ぐぅっ………………』
拾えた映像から流れてくる透君の呻き声が聞こえる………………………しかも、普段……………といっても期間があるけど、昔の透君や『マダラ』の時の透君からでは想像できない程の怪我を負っている…………頭や口から血を流し、BJも所々損傷している。
外へと弾き出される瞬間、『聖王のゆりかご』から巨大な手が…………………………『須佐能乎』の腕が見えた…………………………だけど見えた『須佐能乎』の手は明らかに透君を殴る様に腕を伸ばしていた、実際殴ったんだろうけど………しかも前に見た時の『須佐能乎』の『色』が違う様に見えた………………あの時……………透君が『デビル』に連れて行かれる前とティアナ達に『貸出』で使わせたときの色……………見た時は『紫色』だったんだけど……………『聖王のゆりかご』から伸びた腕の色は………………。
『ライトブルー』だった。
Side out
『奴の須佐能乎』の攻撃を防ごうと同じように『須佐能乎』を展開したが、他の奴の攻撃に気を取られていた為展開するのが遅くなり、半ば攻撃を受ける形で吹っ飛んでしまった。
背中の壁が崩れ、妙な浮遊感があると思った………………。
透「っ!?外か!?」
首を少し捻り周囲を確認すると、俺は現在海へと真っ逆さまに落ちそうになっていた。
態勢を変え、崩れた『聖王のゆりかご』の一部を足場にしながら飛び、『月歩』を”トンットンットンットンッ”と使用しながら海へと着水する…………が。
透「ハァ……ハァ……ハァ……」
敵の攻撃により頭から血を流しながら、片膝を水面に付けながら肩で息をする。
透「『驚門』が効かんとなると………………………………あとは全開放の『八門遁甲』しか無くなるわけなんだが……………さてどうしたもんか」
思わず愚痴ってしまうのも仕方が無いと言いたい、俺は原作の『NARUTO』の最終話までを『知らずに』死んでしまった……………より正確には『八門遁甲の陣』を開放したのかどうかを知らずに…………………………だ。
そして弱っている自身と余裕綽々で自分を見下ろすクソ野郎共、絵面としては大変腹が立ちまくる始末。
なのは達を行かせてからというものの、俺は『うちはマダラ』と『クリア』、そして『戸愚呂(弟)』と対面し、警戒しまくり、初っ端から『八門遁甲』の『驚門』を開いた……………『卍解』してもよかったが、ヴィヴィオの『聖王』化を封じ且つ『聖王のゆりかご』から遠ざけたから反発作用のような体調…………というか魔力不良は軽減されたが、それでも薬の副作用で体調は優れないのは変わらなかった……………つまり魔力が少し練り辛い上に、相手に『うちはマダラ』がいる………という事は、恐らくは原作同様もしかしたら『穢土転生』した時のように『輪廻眼』を開眼しているのかもしれないと思い、術中心ではなく物理主体で方針を固めた。
斬撃・打撃もあるが、今の体調面や諸々を差し引いて『卍解』ではなく、純粋に体術に重きを置いた方がイイと思い、色んなリスクを承知で俺は『八門遁甲』………しかも『驚門』を開放し、戦う事に決めた。
案の定、『うちはマダラ』はいきなり『須佐能乎』を発動し、しかも予想通り『輪廻眼』を開眼していた為、魔力を使った砲撃系や遠距離系は使用出来ないと踏み、接近戦を挑んだのは正解だった。
しかしそこへ『クリア・ノート』こと『クリア』の呪文の『ラディス』が俺に襲い掛かり、回避するしかなかった………………なんせ消滅の呪文なんだからな、受けようものなら消滅かブラゴのようにガリッガリになるってね、更に言えば術自体を消すような呪文があったような記憶を掘り出し、余計に術の類………『斬魄刀』の魔力を使った技も使用出来ない。
そして消滅の警戒をする俺に容赦無く接近戦を挑みにくる『戸愚呂』、持ち前のパワーで俺の体力を削りに来る。
そんな奴等を相手にしていた為、俺は『驚門』の高速戦闘を余儀なくされた…………マダラの『須佐能乎』を打ち破る……………とまでいかないまでも確実にダメージを与える事に『成功した』………………………そう………成功して『しまった』。
この瞬間、俺は妙な『違和感』を覚えた。
クリア「中々しぶといね………彼」
うちはマダラ「貴様等が俺の邪魔をするからだ、大人しく下がっていることだ」
戸愚呂「やれやれ、逸る気持ちはわかるけどね」
穴の開いた『聖王のゆりかご』の中から俺を見下ろすように並ぶ三人、『クリア』は最終決戦時の鎧のような骨格に身を包み、『戸愚呂』は既に『100%モード』になり筋骨隆々を通り越した文字通りの化け物の姿に、『マダラ』は特に変わらない………………………『須佐能乎』と『輪廻眼の能力』しか使わなかった。
戦って分かったが……………というか、コイツ等の会話を聞いてても分かったのは……………コイツ等は『原作のキャラではない』………『そうであってそうではない』……ということだ。
懸念というか、可能性と言うか………………………丁度『3人』………アレも3つ………………出来過ぎにも程がある………が……………そうとしか思えない。
俺の考え過ぎ………こういう時のオタク脳というか………………変に察しがイイ事に腹が立つ。
とはいえ、事実かどうかを確認する暇なんて無いし、そんな事をする余裕も時間も無い上にあまり回らない頭を使うのは結構クる。
ふとふらつきながらも立ち上がろうと、肩で息をしている俺の脳裏に前世の記憶での……………『あるシーン』が思い浮かぶ。
???『……………目の前で』
透「ハァ……ハァ……っ!?」
何故か……………『海上』……………『傷付いた己』……………『目の前の強敵』……………………………『八門遁甲』……………これらの状況下が頭に浮かんだ瞬間、あるキャラクターのセリフを思い出した。
『麦わら帽子』を被った海賊に、全身タイツの濃い『ブルース・リー』のような『ジャッキー・チェン』のようなキャラクター…………。
???『目の前で色んな物を失うよりマシだ!!!』
このセリフが何故だか過(よぎ)った瞬間……………俺の頭の中に色んなワードが流れ……………。
『成程な………つまり”ドーピング”のようなモノか』『ギア2』『点穴』『心臓』『血管』『青い汗』『自分ルールだ!!』『今こそ、己の忍道を貫き通す時!!』『沸騰』『最後の月牙』
感覚としては5分位経っていたんだと思う、だが実際は20秒位だろうか?それらが頭の中で駆け巡る様に流れていった瞬間、カチリと俺の頭なのか胸の中でスイッチなのか何なのかが分からない『何かが嵌まった』。
透「そうか………そういう事か………………………」
俺は何かに納得し、『胸を掴み』ながらスッと立ち上がる……………まるで…………それまでの体調不良が無かったかのように。
透「(予想通りなら………イケる!)ココが…………命の使い処ってやつなのかもな」
ヤクモ達に指示を出し、ある人物に通信を試みる………………念話ではなく通信………………しかも他の奴ではなくアイツ………………。
透「俺はやっぱり………………最低な野郎だな」
俺はどこを見るでもなく、自嘲気味に笑い捨てた。
第三者 Side
透がある『覚悟』を決めた時の『クラウディア』の艦内、クロノは部下に指示を出していた。
クロノ「何が出るかわからない!各員備えるよう連絡!中村少将達の位置も把握しておけ!回収出来れば回収、そして『聖王のゆりかご』を「艦長!!」どうした!?」
指示を出していたクロノの声を遮る様に一人の局員が声を張り上げる。
局員「通信が………………………井上さんから通信です!」
クロノ「………………透?何かあったのか?繋いでくれ!」
クロノの目に、モニターに映る透が若干俯きながら突っ立っていた………………頭や口から血を流し、身に着けているBJもボロボロになっており、予想以上の激戦だったことは容易に予想出来た。
この通信もおそらく援護要請や自分達の現状を把握し、どう立ち回るかを考える為の通信なのだろうと思った………………ならば何故『通信』であって『念話』ではないのか?と言う疑問が生じたが、些細な事なので気にはしなかった。
クロノは通信を開き、画面の透に語り掛ける。
クロノ「こちらクロノ、大丈夫か透!?」
通信の先にいる透は若干俯いている為、顔色や表情が分からないが、口元が少し見え笑っているように見えた為、大なり小なりの怪我はあるものの少なくともまだ大丈夫そうだと判断した。
クロノ「透!僕達は今そっちに向かっている!なのは達はヴィヴィオを安全な所に送っているからヴィヴィオの事は安心しろ!ハルカ達もコチラに急行している」
現状を透に連絡しながらも、周囲に出現してくる敵に目を向ける。
クロノ「アレは……………昔見た『闇の書事件』の時に現れた黒い奴…………に……似てはいるが…………キメラのように手が加えられたような感じだな…………それに他にも………………僕達を逃がさない上に釘付けにするつもりか!」
クロノの乗る『クラウディア』と『アースラ』周辺に改造された『大虚(メノス・グランデ)』と多数のガジェット・ドローンと飛行タイプのキメラが取り囲むように配置された。
クロノ「(ヴィヴィオを安全に逃がすのは難しいか……)くっ……………スマン透、少しだけ時間を稼いでくれ!そうすれば…………………………??」
外の敵の映るモニターから、通信している透へと顔を移すと………………そこには不思議な………少しこの場では似合わないような現象が起こっていた。
クロノ「………………………………透?………………………ぇ?」
流石のクロノもモニターに映る透に驚きを隠せず、狼狽える………………というよりも、口にする言葉が咄嗟に思い浮かばなかった………………とはいえ『何故?』といった言葉が思い浮かんではいたが、それでも口に出すことが出来なかった………………何故ならば。
穏やかに笑い………………しかしその目は『写輪眼』でも『輪廻眼』でもないただの目で………………とても澄んでいて………………しかし決意のある目で………………覚悟を決めたような顔をしていた。
その顔は昔見た………………少年時代………透が自分達と離れ離れになった瞬間に見た顔によく似ていた。
クロノ「どうした透………………………やめろ…………お前………何をするつもりだ?」
この時のクロノはほぼ直感レベルで理解した………………だからクロノは二言目には『やめろ』と言ったのだった。
透『クロノ………………お前に少し頼みがあるんだわ』
モニターに映る透はそんなクロノの事を知ってか知らずか………………いや………………知っていようと関係無く話し出した。
透『俺の両親の遺骨………………リニスに言って代わりに埋葬してくれって頼んどいてくれ………………ちょっと俺は………………無理そうなんだ…………』
それはまるで………………『遺言』のような………………。
クロノは今すぐにでも止めさせたかった、声を張り上げ荒げ、透の言葉を遮りたかった………………だが………………何故か出来ない………………。
透『そういやぁ、今でこそお前とこうやって話してるけど、最初出会った時はメチャクチャ………………とまではいかんかな?でも割かし悪かったよな…………互いにガキだったとはいえな………………まぁ俺は違ったけど』ボソッ……
最後の方は聞こえないようにボソッと小声で言う透。
透『それと『暁』のメンバーは全員アリサとシャルルんトコの会社にって話なんだが………………アリサとシャルルに謝っといてくれんか?『部署用意してくれたのにスマン』って………………『あと『暁』の事も面倒見てくれると助かる』って言っといてくれ』
透『弟子共は…………まぁ本当はまだまだなんだが………………弟子卒業っていう事も頼む』
透『ハルや『暁』の奴等にはさ、『自分等の人生見つけろ』って伝言頼むわ』
透『リンディさんとクライブさん、それにお前とエイミーさんもお幸せにって………………士郎さん達には、変わらずお元気でって言っといてくれ』
一通り頼むと透は空を見上げ、『フゥー……』と溜息を吐き目を閉じる。
透『それと最後に………………なのは達にさ………お前もユーノもだけど………せっかく俺の為に動いてくれた上に助けてくれて………………そんで久々に顔を合わせてくれたのに…………なんつーか………………そのぉ………………ゴメン………………て………………いや、違うな………………』
スッと目を開けクロノを見る透。
透『今までありがとうな!って』
今まで見た事のある………………少年のような笑い顔でお礼を言う透………………その顔見るクロノは胸に刃物を刺される感覚に陥った。
クロノ「………待て待て透………………お前は何を言って………………そんな………………今にも死ぬような………………縁起でもない事を言うな!冗談を言っている場合じゃないだろう!?この際不謹慎とかは言わん!!何をするつもりか知らないが、そんな事を言うな!!!』
透『クロノ…………アイツ等を倒す方法はある………………なのは達が来ても勝てるかもしれない…………けど、被害が甚大過ぎる上に………………死人も………………結構出る………………だから俺が』
クロノ「やめろ!!!聞きたくない!!!歳を重ねてもお前はいつだって子供の時の様にお気楽で僕達を振り回すじゃないか!!??なのに………………なのに何だそれは!!??……………諦めたような…………覚悟を…………!?…………………やめてくれ………………………そんな………………そんな………穏やかで…………『死を覚悟した顔』をするのはやめろ!!お前のキャラじゃないだろ!!」
”ダァァンッ!!”と肘掛をあらん限りの力で殴り、これまたあらん限りの声で叫ぶクロノ、いつも冷静で的確に指示を出す艦長に驚く局員達。
言われた透は頭をボリボリと掻きながら『ヒデェな……』と笑いながら言った後、クロノを見た。
透『クロノ………………………頼む』
その目は全てを物語っていた、何故だかクロノには分かった……………『写輪眼』でも『輪廻眼』だからではない、ただただ純粋に『井上 透』という一人の男の……………『澄んだ目』であり、『覚悟の目』だった。
その瞬間クロノの目には大粒の涙がボロボロと零れ落ちていた、部下の局員の目など気にする余裕がないほど今のクロノは情緒不安定に陥っていた。
クロノ「やめてくれ……………透…………何か………方法が………………」
…………………クロノが感じたもの…………それは………………。
透の………………『命を賭したモノ』。
透『…………じゃぁな!』
静かに………………そして一方的に通信を切られた。
管理局員「艦長…………」
クロノは理解した、『念話』ではなく『通信』を使ったのは顔を見て頼み事をしないとダメだったと透は思ったに違いない、透なりの筋を通したかったんだろう………………。
そしてなのは達に………………『アースラ』に通信しなかったのは………………言えなかったからだろう………………と。
クロノ「っ!…………くっ……………何をしている」
管理局員「ぇ?」
クロノ「大至急中村少将に通信!!こちらに来るよう要請!!同時に『アースラ』と『機動六課』及び『暁』に連絡!!先程の通信の事を知らせ、あの大馬鹿野郎を助けるよう通達!!!何言われても僕が責任を持つ!!いいから来いと連絡急げ!!」
管理局員「りょ、了解!!」
クロノ「(透の気持ちは分からないでもない、だが、人を頼りにするにしてもこんなやり方は………………筋が通らない!!)」
未だ流れる涙を袖を使って強引に拭うと、クロノは透とは違った意味で決意の目を向ける。
クロノ「絶対………絶対ぶん殴ってやる…………………覚悟しろ………透!!」
友人を殴り飛ばす為に、クロノは周囲の『大虚』やガジェット・ドローン達を相手にする。
そして所変わって、そんな友人の反感を買った透。
透「ふぅ………………」
リコ『マスター、アレじゃぁ余計に心配されますよ』
透「とりあえず浮かんだ言葉を言っただけだからなぁ………………まぁそうなるよな」
ヤクモ『なのはさん達に通信しなかったのは心配される上に止められるからなんでしょうけど………』
ライラ『かえってトラウマになりますよ』
透「それは………………まぁ………………正直やっちまった感は………………滅多クソあるんよなぁ」
”ハァ~…………”と盛大に溜息を吐き、頭を抱える透………………だったらやらなかったら良かったのにと、ヤクモ達だけでなく、さっきの通信を聞いた人なら誰もが思うだろう。
戸愚呂「通信は終わったのかね?」
化け物の姿になった戸愚呂が透に話しかける、残りの二人も同様に透を見る。
透「あぁ、ご丁寧に待ってくれるとはな」
マダラ「通信した所で何が変わるでもない………………」
クリア「どうせ、君だけじゃなく………僕達に逆らった愚かな局員達は粛清していくつもりだからね」
透「そうかぃ………………」
グッと袖で口に着いた血を拭い、頭から流れる血も拭う。
透「まぁそんな事は俺がさせんがな」
マダラ「死に体の貴様に何が出来る?」
戸愚呂「意地を張らず、素直に助けを乞えば良かったんじゃないかい?」
透「いらん………………お前等は………………」
バッと顔を上げ、三人を睨みつける。
透「俺が必ず殺す!………………コイツでなぁ!!」
透は立ち上がり、海上で足を肩幅くらいに開き、踏ん張る。
透「さぁっ!!『暁のマダラ』!!一世一代の大勝負といこうか!!」
両腕を、これでもかという位広げ、声高らかに宣言し、人差し指を自身の胸の真ん中より少し左の位置を押し当てる。
透の皮膚がみるみる赤く変化していく。
透「第八死門………カァァイ(開)!!……『八門遁甲の陣』!!!!」
その姿はまるで獣の様で、死を覚悟した戦士の様で、命の灯を燃やし尽くさんといった男の姿があった。
あとがき
またも遅くなり申し訳ございません!!
しかも短くなるみたいに言っておきながら、結局少し長くなってしまいまいして………………。
えぇ気を取り直しまして………………今回は前半はなのはとヴィヴィオの逃走劇………とまではいかなかったのですけど、アニメではヴィータが血を流し瀕死になっていましたが、ゼスト達が駆け付けたことにより、ヴィータは重傷を負うことなく済みました。
はやても同様で、透の『口寄せ』で出したアシュロンの援護もあり早々に片付いてましたね、他にもハルカやナカジマ姉妹達も九喇嘛の援護もあって全員集結!!………………といきそうなんですが。
まさかの透が大苦戦………まぁ『うちはマダラ』に『クリア・ノート』、そして『戸愚呂(弟)』のメンツだと苦戦するのは当たり前ですね。
しかも『マダラ』以外は最終形態か一歩手前の状態に………しかし透はあることに気付いてそうですね…………さぁそれは一体??
そして………透の『遺言』ですよ………………ココのイメージとしては………特に最後の『頼む』という場面は『呪術廻戦』の少年院での虎杖が伏黒に言ったシーンを想像していただければ。
そしてそして!最後に………………………出ました………『八門遁甲の陣』!!
しかし、透は原作の『NARUTO』の連載が終わる前………しかも『マイト・ガイ』が発動するのを『知らない』のに、何故発動できたのでしょうか?何故発動の仕方を知ったのでしょうか?
今回の話で、色々と言ったり伏線を張らせていただきましたが………本当に自身の文才が無いなと認識しましたね………………それでも………やめたら………ダメだなとも思いました。
さてさて、次回は『八門遁甲の陣』を遂に発動してしまった透、それはつまり………………………。
次回をお楽しみに!!
コメント・応援メッセージ等もお待ちしております!!
頂けたらメチャクチャ嬉しいです!!
※もしかしたら、手直しをするかもしれません…………。
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第64話 覚悟