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真・恋姫†無双 異伝「空と命と夢の狭間に」第四十九話2014-08-09 20:12:50 投稿 / 全11ページ 総閲覧数:6630 閲覧ユーザー数:4748 |
「良く来てくれたな北郷、益州での活躍は聞いているぞ」
俺達が武威に着いた次の日の朝、早々と前線より帰還してきた馬騰さんにそう声を
かけられる。
「母様、あたしらもさっさと五胡の奴らをやっちまおうぜ!何時までもデカい顔させ
ておくなんて性に合わねぇんだよ!」
そう言っていたのは同じく前線から戻ってきた翠であった。
「そうや、そうや!こっちなら五胡相手に存分に暴れられる思うて来たっちゅうのに
ほとんど睨み合いばかりでつまらへんわぁ~」
そう言って翠の言葉に霞が乗っかる。
「お前ら…何度も言ったと思うが、こちらに攻めてきている五胡の軍勢は二十万余り、
こちらの軍勢は約七万しかいないから無闇に攻めかけた所で損害が大きくなるだけ
だろうが!幾ら我らが一騎当千とはいえ、出来る事にも限界がある事位いい加減に
理解しろ!」
しかし馬騰さんにそう言われるとさすがの二人もぐうの音も出なかったりする。
「ふっ、葵も言うようになったなぁ…二十年位前はお前も同じような事を言われてい
たというのに」
「なっ…ああ、やはりあなたも来てたのですか」
いきなり真名を呼ばれた馬騰さんは驚くが、そこに空様の姿を見つけると少々呆れ
気味の声をあげる。
「何だ?私がいるのがそんなに嫌か?」
「私は別に嫌とは言ってませんが…そういえば、前に命様があなたがすっかり北郷に
べったりだと愚痴っておられましたが?」
「べったりなのは当然だ、何せ私と一刀はもはや一心同体も同然の仲だからな」
空様はそう言って俺に身体を密着させてくる。
「ほぉ…随分とまぁお盛んな事で。何時までもお若くてとてもよろしゅうございます
ね。その若さを少しばかり分けてもらいたいものです」
「何を言っている、お前だって私より二つ程上なだけだろう?ほら、肌の張りだって
まだまだ皆に負けていないではないか」
空様は素早く馬騰さんの後ろに回り込んだかと思うと背後から盛大に馬騰さんの胸
を揉みしだき始める。
「ちょっ…やめてください!娘や部下の前で」
「ほぅ、なら二人きりの場所なら良いのか?」
「良いわけないでしょ!!」
二人は昔に戻ったかのようにそんな事をしていたのだが…完全に周りにいる俺達の
事は置いてけぼりっすか。しかし熟女同士のこういうのはかなり新鮮な画だが。
「なぁ…一刀、あの李通って人は母様とどういう関係なんだ?あんな表情をする母様
は初めて見たんだけど…」
半ば呆然とそれを見ていた翠がそう聞いてくる。そういや翠は空様が『劉宏』だと
いう事を知らないんだったな…しかし事実を言ってしまって良いか判断出来なかっ
た俺はただ苦笑いを浮かべてごまかしたのだった。
「…大変見苦しい所をお見せした」
それから空様の馬騰さんに対するセクハラは小半刻程続き、やっと解放された馬騰
さんの一言がそれであった。
(ちなみに俺達は空様のそれを止める事も出来ずにただ見ていただけだったが)
「それでは改めて軍議を始め『今更格好つけてもしまらないぞ』…とりあえずあなた
は余計な言動を慎んでください」
馬騰さんにそう言われた空様は少々ふてくされたような顔で押し黙る。
「ウオッホン!では、改めて軍議を始める。今五胡の軍勢はこの武威より北におよそ
三十里のこの地点まで攻め寄せてきている。我らはその地に砦を築いてこれ以上の
進撃を阻止している状況だ」
なるほど…つまりそこを抜かれるとこの武威も危ないという事だな。
「ならば取るべき方法としては、その砦への増援と五胡の軍勢に攻撃を仕掛ける部隊
の二つを編成して連携して行動するという事ですね」
「ああ、北郷の言う通りそれが一番無難な策だとは思うのだが…」
ふむ…馬騰さんがそこで言いよどむという事は何か引っかかる所があるという事か。
「一刀さん、その策は既に我らが益州で使っています。もしかしたら既にそれが伝わ
っている可能性も…」
「そうか、ではそれだけでは足らないという事か。ならば輝里に何か策はあるか?」
「そうですね…此処は普通に攻め寄せてみましょうか」
えっ…普通に?輝里のその言葉に皆が訝しげな顔を見せる。
「どういう事や、輝里?普通に攻めたら損害が出るいうから今どうするか考えている
んちゃうんか?」
霞が言うまでもなく、それは皆が思う事だ。だが輝里は、
「だからそれと同じ事を向こうも考えているという事ですよ」
そう言って唇の端をあげる。
「そうか…向こうもこちらが二つに部隊を分けて攻め寄せてくるだろう事は予想済だ
から既にその備えをしているはず、だから逆に普通に攻め寄せた方が相手の不意を
つける可能性が高いという事か」
俺がそう言うと皆が驚きの表情になる。
「ふふん、そういう事やったら話は早いで。さっさと攻撃開始や!ウチと西涼の騎兵
隊が本気でいけば幾ら五胡でもすぐには対応出来ひんやろうしな!」
「おおっ、それなら私も行くぞ!」
霞と翠はそう言って気勢をあげるが、
「でも、ただそれだけでは結局数の多い五胡側に押し切られる可能性もありますので
奇襲部隊は奇襲部隊で用意しましょう」
輝里があっさりそう言うので同時にずっこける。
「おいおい、さっきと言ってる事ちゃうやんか!」
「そうだぞ、正面から攻めるって言ったりやっぱり奇襲するって言ったり!もう少し
分かりやすい事を言え!」
「ですから…『待て、輝里』…葵様?」
輝里が説明しようとした所で馬騰さんが話に割り込む。
「翠、霞、お前達は正面切って戦えば良い。他の事は考えるな、後はこっちに任せて
砦に向かえ」
「むぅ、何か釈然とせえへんけど…」
「母様がそう言うんだったら…」
霞と翠はぶつぶつと言いながらも手勢を率いて前線へと向かっていった。
「ふふ、葵も本当に言うようになったなぁ」
「…空様、これ以上言うならこっちも言いますけど?」
馬騰さんがジト眼でそう言うとさすがに空様もそれ以上何も言わなくなる。
「では改めて…輝里、お前の策は五胡はこちらが二方面作戦と取ると予想して備えて
いる所に正面から攻撃を仕掛け続けて、こっちが裏をかいて正面攻撃に切り替えた
と向こうが思って備えを変えた所で奇襲部隊を突入、向こうが混乱した所で本隊で
止め…という事だな?」
「はい、その通りです」
「しかしその策を取る為には奇襲部隊は隠密行動に長けた者が必要になるのではない
のか?」
確かに五胡に気付かれてはダメだしな…でもそれなら。
「ならば孫権さん、その奇襲部隊の指揮は甘寧さんと周泰さんにお願いしたいのだけ
ど構わないかな?孫権さんは本隊と一緒にという事になるけど」
「なるほど…そういう事なら。思春、明命、良いわね?」
「はっ!」
「御意です!」
こっちは彼女達の実力なら間違いないだろう…後は。
「曹操さん、貴女には遊撃を頼みたいのですけど…」
「遊撃?…ふふん、なるほど。変に何か命じるよりその方が私を動かしやすい…そう
いう事かしら?」
「まあ、そういう事ですかね。というわけで…」
「私達は張遼達の後を追って砦に入るわ」
曹操さんはそう言うとすぐに手勢をまとめて霞達の後を追う。
「それで私達はどうすれば良いのですか?」
「凪は馬騰さんの本隊と共に待機、最後の止めの役だ」
「ほぅ…なら我ら北郷組は何をするんだ?」
…空様が普通に『我ら北郷組』って…入ってもらった記憶無いんですけど?
「そういう細かい事は気にするな、私と一刀の仲じゃないか。もはや私達は一心同体
なのだからな!」
ええっ…拒否権無しっすか?…ええ、分かってますよ。空様のごり押しに抵抗する
なって無理くさい話だって。
「ええっと…とりあえず申し訳ないですが空様は凪と一緒に本隊で待機です。さすが
に象が一緒だと目立ち過ぎですから」
「むむ…仕方ないか」
「それと美以達も空様と一緒にいてくれ」
「みぃ達もその止めとかいうやつかにゃ?」
「ああ、そうだ」
「分かったにゃ、みぃ達の活躍を楽しみにするにゃ!」
これで良し…美以達もちょっと目立つしね。
「一刀、儂らはどうするのだ?」
桔梗さんのその問いに俺は言葉を詰まらせる。何故なら…。
「桔梗様、こいつと一緒に行動した所で何の益もありません。我らは我らで馬騰様の
御為に戦いましょう」
「一刀お兄様、こっちこそあんな無駄な筋肉と胸をぶら下げたようなのと一緒にいる
だけ無駄だよね~。あんなの放っておいてたんぽぽ達だけで戦おうよ」
「何だとこら…誰の何が無駄だと言うんだ!」
「そんなのあんたの全てに決まって…あっ、そうか。もうそんなのも分かんない位に
頭の中が筋肉の塊になっちゃったんだね~。それじゃ、もう何を言っても仕方ない
か~残念、残念」
蒲公英と魏延さんがすぐこうやって喧嘩を始めるからだ。本当は、桔梗さん達にも
一緒に来てもらおうかと思ったんだけど…こりゃダメだな。
桔梗さんも同じ事を思っていたのか、俺と眼を合わせるなり苦い顔をしていた。
「ならば北郷、厳顔と魏延はこちらで預かるから代わりに仄と雫をそっちに付けると
いうのでどうだ?」
さすがにその状況を見かねたらしい馬騰さんがそう言ってくれる。
「…確かにそれが一番良さそうですね。風、燐里、君達は馬騰さんの補佐を。後は俺
と一緒に来てくれ」
「風達を置いてお兄さんは何処へ行くんですかー?」
「それは後のお楽しみ…という事で」
俺のその言葉に風は少し不機嫌そうな顔をする。
「さて、それでは作戦開始!各々の奮闘を期待する!」
俺はそれをスルーして号令をかけたが…風の視線が痛い。
・・・・・・・
その翌日。
「おらおらこの程度か!こんな弱さで良く此処までのこのこ来れたもんだな!冥土の
土産に、この錦馬超の槍を喰らっていけ!」
「この神速の張遼の一撃、かわせるもんならかわしてみぃ!!」
既に前線においては五胡との戦闘が始まっており、翠と霞が先頭切って戦っていた。
対する五胡の方は二方面作戦を取ってくるものと思い軍を分けており、しかもその
間隙を翠達が衝いてきたので軍の連携が取れていない状況であった。しかも…。
「季衣、敵のあそこに隙が出来たわ!すぐに攻撃!」
「はい!皆、行くよ~!」
「流琉は季衣が突破して出来た空白に横撃を!」
「はい!私達も続けて行きます!」
さらに曹操の軍が戦線の伸びた所を的確に衝いてきた為、態勢を立て直す事もまま
ならなくなっていたのであった。
こちらは五胡の軍(二方面作戦に対する為に分けていた方の軍)である。
「本隊が漢の軍勢の攻撃にあい、防戦を強いられています!」
「何!?二方面作戦は嘘だったのか…くそっ、すぐに本体に合流を!」
「ダメです、馬超達の軍勢がこちらの行軍を阻むように展開しています!」
「ならそれを蹴散らして進むんだ!」
策が破られたと感じたその軍の指揮官は、本隊とすぐに合流を果たすべく軍を動か
したのだが…。
「よし、向こうは動いたぞ」
「では完全に背後を見せて動き出した瞬間に行きます」
後ろを見せた瞬間に甘寧・周泰による奇襲攻撃を受けて散々に討ち果たされて這う
這うの体で逃げ去っていったのであった。
・・・・・・・
「馬騰様、甘寧様達の奇襲は成功、敵の別働隊は壊滅です!」
「よし、ならば我々も動くぞ!全軍出撃!!」
馬騰の号令で待機していた本隊も動き出す。
「ようやくか…腕が鳴るなぁ、葵よ!」
「空様…あまりはしゃがないでください。子供じゃあるまいに」
「おやおや、昔は氷蓮の奴と一緒に真っ先にはしゃいでいたくせに…随分と年寄くさ
い事を言うようになったな」
「…空様」
「あーあー、分かった、分かった、まったく口うるさい奴だな。先に行くぞ」
そう言って先に行った空の背中を見て馬騰はため息をついていたのであった。
一方その頃一刀達はというと…。
「一刀さん、作戦は此処までうまくいっているようです」
「さすがは徐元直の立てた策…という事かな?」
「…えっと、その…皆が頑張ってくれた結果です。私は特に何も…」
輝里はそう言って顔を赤らめていた。
「ところで一刀さん、私達は何処へ行くのですか?このまま行ったら五胡の勢力圏内
に入ってしまいますよ?」
仄のその質問に、
「そっちに用があるんだから当然だ」
「…やはりですか。一刀さん、本当に大丈夫なのですか?」
俺がそう答えると輝里が心配そうに聞いてくる。
「此処は任せておけ」
俺はそう自信満々に言ってみたものの…正直ド緊張だったりする。頼むからうまく
いってくれよ…。
続く。
あとがき的なもの
mokiti1976-2010です。
最近投稿のペースが少し落ちていて申し訳ありません。
とりあえず今回は涼州での五胡との戦い・前篇という
事で、涼州に押し寄せた五胡の軍勢を押し気味に戦っ
ているという状況です。
一刀の行動については次回にて…という事で、次回は
この続きからです。
それでは次回第五十話にてお会いいたしましょう。
追伸 空様の馬騰に対するセクハラはこれからもある
かもしれません…熟女同士のそんなのは見たく
もないという意見が多ければ別ですが。
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お待たせしました!
それでは前回からの続きという事で、
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