No.1194436

とある少女のフコウ説。四話

とある魔術の禁書目録の二次創作です。 上条当麻女成り代わり主の体に空の境界の両儀織が同居してます。危険があると入れ替わります。

2026-10-11 15:48:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:23   閲覧ユーザー数:23

四、「インデックスとの約束」

 

 現場に着いた時には、すでに赤髪の魔術師は一方通行(アクセラレータ)によって倒されていた。

 彼は眉をひそめ、まるで「何なんだコイツ?」という顔をしている。

 

(あれ……私、出番なかったかも)

 

 インデックスは一方通行(アクセラレータ)に保護されていた。

「よく生きてんな、コイツ」と彼は呆れたように言ったが、その声の奥には微かな安堵が滲んでいた。

 

──今はまだ、間に合う。

 

「小萌先生のところに行かないと!」

 

 私はインデックスを背負おうとする。けれど、その腕を一方通行(アクセラレータ)が掴んだ。

 

「当麻、また無茶する気か?」

 

 その目は真剣そのものだった。

 私は戸惑いながらも、「わからない……でも、この子を助けたい」と返す。

 すると彼は舌打ちして、苛立たしげに髪をかき上げた。

 

「ついてく」

「でも……」

「いいから。赤髪のアレと関係してるなら、オマエを一人にはできねェ。オマエは……無茶するからな」

「……分かった。でも、ごめん」

 

 記憶を失う覚悟は、もう決めていた。

 それでも彼を巻き込みたくなかった。

 けれど、彼がついて来ると言うなら、止められなかった。

 

「いつものことだろ。オマエに、あんまり無茶してほしくねェだけだ」

 

 そう言う彼の声には、妙な優しさがあった。

 

「どこ行くんだ?」

「小萌先生のアパート」

「場所は?」

「ここ……」

 

 私はスマホで地図を見せた。

 一方通行(アクセラレータ)はそれをひと目見た後、私とインデックスを抱え、軽々と地を蹴った。

 風を切って空中に跳ぶ。

 

「ちょ、待って……やめっ、ぎゃああああ!!」

 

 空を飛んだのに叫ばない奴がいたら見てみたい!

 

※

 

 小萌先生のアパートに着くと、彼女の協力もあり、インデックスの背中の魔術的な傷は無事に治療された。

 その後数日間、私は小萌の部屋にインデックスと一緒に居候させてもらうことになる。

 

 小萌や一方通行(アクセラレータ)から詳しい詮索はなかった。

 インデックスの回復を第一に考えてくれたのだろう。

 

 ある日、インデックスが魔神の話をし始めた。

 私は一方通行(アクセラレータ)に「ちょっと席を外してほしい」と頼んだが、彼は首を振った。

 

「出ねェよ。今はどっちが味方かわかんねェしな」

 

 そのまま、彼も同席した。

 インデックスは少し不安げな目をしていたが、結局すべてを語った。

 

 一方通行(アクセラレータ)は黙って聞いていた。

 表情ひとつ変えず、ただ、すべてを受け止めるように。

 

 話が終わり、私は思わず頭を下げた。

 

「巻き込んでごめん」

「オマエが俺の知らねェところで無茶するよりマシだ」

 

 それ以上、彼は何も言わなかった。

 私は、彼の変わらない優しさに胸が詰まった。

 

※

 

 夜。

 インデックスの容体も安定し、ようやく銭湯に行く許可が出た。

 

「おっふろ〜♪ おっふろ〜♪」

 

 彼女はご機嫌で洗面器を抱え、私の隣でスキップしている。

 今は修道服に着替えていて、すっかり元気そうだ。

 

「一方通行も来る?」と誘ってみたら、

「勝手に行け」とそっぽを向いた……なぜか顔が赤い。

 

(何を想像したんだコラ!?)

 

 問い詰めようとした瞬間、インデックスが「お風呂ー!!」と叫んで全てが吹き飛んだ。

 とりあえず、後で問い詰めることにしよう。

 

 そんな中、インデックスが私の腕にしがみつきながら、笑顔で言った。

 

「とーま、とーま」

「どうしたの?」

「えへへ、とーまの名前を言ったら来てくれたから。とーまの名前を呼べるの、嬉しいの!」

 

 その笑顔は、まるで初めて遊園地に連れて行ってもらった子どもみたいだった。

 

 彼女の懐き方は、本当に尋常じゃない。

 一方通行(アクセラレータ)にもすっかり懐いているし、彼が上条の「友達」だと知ってからはさらに距離が縮まった。

 

 ……いや、友達にしては、ちょっと距離が近すぎるかもしれない。

 

 私は気づいている。

 一方通行(アクセラレータ)との関係もまた、「友達以上恋人未満」のような、妙に曖昧な距離感になっていることを。

 あいつに「お前、俺の何だ?」と聞かれたら──私は、答えられてしまいそうで、怖い。

 

「とーま、これからもずっと一緒にいてね」

「う……うん」

 

 その言葉に、胸が痛んだ。

 

 私は……記憶を失う。

 今の私も、インデックスとの約束も、想いも、全て消えてしまう。

 インデックスの言葉が、騙しになるのがつらい。

 

 一方通行(アクセラレータ)との記憶も、消えてしまう。

 その事実が、私の中でひどく重かった。

 

 それでも、私はインデックスを助けたいと思っている。

 だから、私は──

 

「ずっと一緒にいるよ、インデックス」

 

 どこか泣きそうな笑顔で、そう答えた。


 
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