No.1187499

ホットロッド

新人さん

1967年に「俺たちに明日はない」というアメリカ映画があった。そのモデルとなった、銀行強盗ボニーとクライドの2人は、逃走用にフォードの新型車「フォードV8」がお気に入りだったという。この車は当時の1932年に発売されたばかりの新型モデルで、排気量3600cc、65馬力という強力な 世界初V型8気筒エンジンを搭載していた。この車を気に入った2人は、"盗んで"乗り回していたらしい。現代の日本なら、警察庁が公表している「車名別盗難台数」1位はトヨタ・ランドクルーザーだが、フォードV8は当時の大衆車の中で最高の速度と加速だったから、周到な逃走計画と併せると警察の車ではなかなか追いつけなかったという。当時の警察は犯罪者が州を越えると手出しできなかったのだ。1934年にはフォードの社長にボニーとクライドから、「貴社で製造していらっしゃるこのV8は、本当に良く走るので我々は大変仕事がしやすくて感謝しています」という感謝状が送られてきたという。逃走を繰り返していたボニーとクライドだったが、1934年5月23日に同年式フォードV8に乗りルイジアナ州ビエンビル郡アーケディアの州道を走行中、待ち伏せしていたテキサス・レンジャーと州警察の警官2名から、短機関銃で150発以上もの連射を受けたそうだ。ボニーとクライドは車で逃げ去ろうとしたが、車体を貫通してきた銃弾を浴びて絶命している。当時の供述によると、『6人の警官はそれぞれショットガン、自動小銃、ピストルを持っていた。後に保安官は自動小銃で発砲し、それから散弾銃を使った。ショットガンを撃った後、車は我々を追い越して、50ヤードほど先の溝へ突っ込んで行った。もうちょっとでひっくり返るところだった。念には念を入れ、車が止まってからも撃ち続けた』と話している。  フォードV8はV型8気筒の車としては初めての車ではないが、一般大衆向けの大量生産された最初のV8車だった。一応並行して4気筒の”モデルB”も発売されたが、V8はモデルBよりも はるかに売上げをのばし、1932年の販売台数はモデルBは13万3539台だたが、V8は倍以上の29万8647台もあったという。そしてこの車は今でも、ホットロッド(主に1930年代の大衆車をハイスピードに改造した車)のベース車として人気は衰えることなく、アメリカはもちろん世界中で愛されているようだ。もちろん日本でも、フォードV8のホットロッドは根強く愛好家に支持されている。オートマの電気自動車には絶対に出せない味なのだ。

2026-05-23 15:20:14 投稿 / 734×550ピクセル

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